2015年5月19日

こちらの資料に目を通してみました。

磁性体を使って環境熱エネルギーを電気エネルギーに変換する技術に関する理論と実験結果のようです。

磁気冷却という名の磁気熱量効果を使った技術はすでに確立されているが、こちらはそれとは異なり、熱を磁気エネルギーとして磁性体に吸収させ、それを電気エネルギーとして取り出そうとする半ば熱力学の第二法則を逆撫でするようなアイディアである。

これはおそらく次のような理屈だと思われる。

例えば方形波の電圧を鉄心の入ったコイルにかけると、逆起電力の影響で電流は緩やかに上昇してゆく。(現実的には急峻な電流磁場に磁化が追従できないため電流波形に瞬間的なスパイクが見られるが)

このとき、磁気エネルギーとして蓄えられる電気エネルギーは
(逆起電力)x(電流)x(時間)
であり、もしこの時、環境熱の流入により磁気エネルギーが増えたと仮定すると、その影響は即座に逆起電力の増加につながるため電流はさらに抑えられるはずである。

つまり、逆起電力と拮抗する電気入力が減る。

そして電流を減らしてゆく過程で、鉄心に過剰にチャージされた磁気エネルギーを電気エネルギーとして取り出すのだろう。
このエネルギーの供給と放出のバランスが不自然なため、資料にあるようなおかしな波形が出来てしまうのだと思われる。

しかし、磁気熱量効果による吸熱は消磁のときに起こる現象のためこの話には少々無理があるとも思われる。そもそも熱がどのような過程で自発磁化へと変換されるのかよく分からない。

ちなみに磁気熱量効果を大きくする方法は、磁気回路にギャップを設けて反磁場で消磁効果を大きくするか、もしくは反発磁場構造にするかである。(資料の実験ではパーマロイのリングコアを使っているようですが)

もう一つ、こちらの資料にも目を通してみました。

書かれてある理論はヒステリシスループからエネルギーを取り出す方法(?)のようだが、これも正直よく分からない。


ヒステリシス損は磁化過程が励磁電流に追従しないことが原因で発生する鉄損の一つで、見方を変えると遅滞する磁化変化による誘導起電力が電源電圧を打ち消すように働くため、それを等価抵抗としたものである。

ゆえにヒステリシスからエネルギーを取り出すには、遅滞磁化による誘導起電力を電源電圧の位相に合わせなければならない。
しかしそれは、ヒステリシスループの性質から考えて磁性体の磁化が励磁電流には無関係にまるで能動素子のように勝手に動いているようなものである。
果たしてそんなことが可能なのだろうか・・・・?

数式がたくさん書かれたこの手の資料はたいてい数式が煙幕となって読者を煙に巻こうとするのが常套手段。
アインシュタインの相対論のように理論が正しければ図でもコンセプトくらいなら説明できるはずである。

 

 

 

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