太陽光発電の続きです。
注意:
計算は単純な直流回路のオームの法則でおこなってます。
変電所や高圧AC、三相式etc.すべて省略してますが基本的にはこの理論どおりに動作するものと思われます。
需要と供給のバランスが需要<供給になると本当に売電が止まるのか正確に計算して確かめたところ次のような結論になりました。
まずは太陽光発電システムが接続されていない状態ですが、電線の抵抗による電圧降下で107Vが101.9Vに下がりました。
この電圧は電気事業法により107~95Vの間を保つようにつねに調整されてます。
次に太陽光発電システムが電線に接続されると接続点Aから電線に流れ込む売電の電流値は0.345A(グリーンの四角で囲ったところ)になりました。
また太陽光発電の電気が加わるため電力会社からの電流は1.019Aから0.689Aに小さくなりました。
次に太陽光発電システムが普及して1000棟に増えたとすると、売電の電流値は0.345Aから0.0011A(グリーンの四角で囲ったところ)に小さくなりました。
つまり1000棟に増えたことで売電の収入が1/314に減ったということです。
電力会社はたしかに電気を買い取ってますが、太陽光発電が増えれば増えるほど売電できる電気は減るという結論です。
また、電力会社からの電流は1.019Aから0.002Aに激減するのでこれは有りがた迷惑になるのかな?(燃料費が浮くからなどと単純な話ではない)
実際の電線の抵抗はもっと複雑になっているので売電は0になるかもしれません。
太陽光発電に関して何点か腑に落ちない点があったので計算などして調べてみました。
それにしても売り込みサイトがあそこまであるとは思いませんでした。
エセ情報商材サイトのように乱立していてメリットしか伝えていないサイトも数多くあるのですが、本当に大丈夫なのでしょうか?
ヤフー知恵袋なども業者の営業トークのような書き込みがあったり、かと言ってデメリットは原発推進派のような適当な内容であったり、正直わけが分からない。
当方が一番気になるポイントは初期投資が何年で回収できるかというコストペイバックタイムだが、こちらを参考に計算してみました。
日射量はこちらの1981年~2009年の過去28年間の東京の平均値を採用し、4kWの太陽光発電システムでパネルの角度は10°としました。
一年間の発電量は3734kWh/年になりました。
東電の電気料金が第1段階料金として20円/kWhだから太陽光発電で得た電気をお金に換算すると74,680円となる。
こちらを参考にすると初期投資が140万円なので、補助金はあてにならないので0円として回収年数を計算すると18.75年となりました。
約20年!
パワーコンディショナーは完全にアウトです。
パネルの耐用年数に匹敵するほどの歳月ですが現実問題としてメンテナンスをしっかりやらないと絶対に持たないと思います。
このランニングコストとパワコンの交換代でさらにペイバックタイムはのびそうです。
しかもこの回収方法は根本的に間違っています。
ペイした後も稼動し本来の目的である無料化に貢献するのなら問題ありませんが、そうでないのなら長い年月をかけて支払うべき電気料金を太陽光発電システムという形で一括で支払うようなものです。
しかも夜は発電できないわけだからバッテリーをつけない限り電力会社との縁は切れない。
このバッテリーですが、こんな高額なものを導入するといったい回収年数は何年になるのか?
計算する気もおきない。
いや、売電がある?
たしかに一般家庭用の10kW未満でしたら買い取って頂けるらしい。
しかし、これには落とし穴があります。
この太陽光発電システムが普及しはじめると送電線に一気にこの電気が流れ込むことになり、需要と供給のバランスが需要<供給となって送電線の電圧降下が起こらなくなりすぐに電圧上昇抑制が働いて売電は強制的に止まります。
そうです。
電力会社がいくら買い取ると言っても物理的に電気を送電線におくることが出来ないので売電メーターは止まったまま、収入は0円です。
この問題を抜本的に解決しないまま太陽光発電を普及させると大勢の人が酷い目に遭いそうです。
もちろん、エネルギーペイバックタイムは短いのでCO2排出量の削減、地球温暖化の防止という割り切った考え方をする方にはお勧めできるのではないでしょうか?